打ちっ放しコンクリートの基礎知識




打ちっ放しコンクリートとは

打放しコンクリートは、やわらかな生コンクリートを木材で組み立てられた型枠に流し込んで作ります。生コンクリートが固まったことを確認し型枠を外すと、コンクリート面が現れます。
この固まったコンクリート面に手を加えず、打ち上がったそのままの状態の仕上げが「打放し(打ち放し)コンクリート素地仕上げ」となります。

 

打ちっ放しコンクリートの施工の難しさ

固まったコンクリートに全く手を加えない状態で美しい仕上がりを実現するには、高度な技術と細やかな現場管理が必要になってきます。

しかしながら、細心の注意と高度な技術をもって打っ放しコンクリートを施工しても、様々な不具合が発生してしまうのが現実です。

また、何も手を加えていない状態のコンクリート自体は、耐久性や汚れ防止の機能は高くはありません。このため、打ち上がったあとに最終的な仕上げ処理を施すことが必要となります。

 

打ちっ放しコンクリート施工の不具合例

表面剥離 (ひょうめんはくり)
滑らかな表面が剥離して、ザラザラな表面となってしまったもの。

コンクリートの浮きをそのままに放置して置くと、やがて劣化が進み剥離、最終的には剥落を起こし、人命に関わる重大な事故にもつながる。

 

気泡 (ピンホール)
コンクリート表面に空気が残存したために出来た小さな穴。

コンクリートの表面は、すべての要因を上手くバランスされる事で気泡のない滑らかな美しい表面が得られます。

型枠の素材、形状、配筋の緻密さ、コンクリートの流動性、打設方法、温度、天候、剥離剤、混和剤、コンクリート配合など考える要因を十分考える事が大切。

 

錆汁 (さびじる)
コンクリートの打設前に雨に降られるなどして、鉄筋が錆び、その錆が降雨時に錆汁となって、下のコンクリートの表面に流下して表面に錆汁が染み付着した状態。

最も問題視しなければならないことはコンクリート内部に設置した鋼材の腐食。コンクリート内部の鋼材の腐食は、構造物の耐久性に直結する問題ですので十分留意する必要がある。

 

コールドジョイント
「先に打ち込んだコンクリートと後から打ち込んだコンクリートとの間が、完全に一体化していない継目」

何回かに分けてコンクリートを流し込んだ場合、時間を大きくあけてしまうと発生する。コールドジョイント部分は一般に強度が低下すると言われている。

環境条件などによっては耐久性に関わる様々な不具合を引き起こす原因となり、また、補修費用や工程の遅れなどが発生する。

重度な状態のコールドジョイントを防止するためにも、適切な計画や施工を実施することが大切。

 

豆板 (ジャンカ)
打設されたコンクリートの一部分がセメントペースト、モルタルの充てん不良によって、粗骨材が多く集まり、空隙の多くなった構造物の不良部分の事。

または、コンクリート表面に砂利が露出して空洞が出来たもののこと。

コンクリートを材料分離しないように打設する・コンクリートを十分に締め固める・コンクリートをワーカビリティー(コンクリートの変形や流動に対する抵抗性と、材料分離に対する抵抗性を合わせた「作業性」を意味する)が良好な配(調)合とすることなどが防止対策となります。

 

様々な劣化による不具合がありますが、その都度専門業者にしっかりと調査してもらい補修方法を見極めてもらうことが重要となります。


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